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省エネ 電力自由化や来年に予定されているガス自由化

  エネルギーの自由化というと市場による自由取引が連想されます。売り手である供給者と買い手である需要者が、刻々と変わる状況を鑑みながら取引を繰り返す、株式市場や為替市場が市場の代表ですが、実のところ、2005年4月から取引が開始された電力取引市場は、株式市場のような活況な市場にはなっていません。電力取引市場はできたものの、見かけ倒しで機能していないというのが、残念ながら現状ではないでしょうか。これは取引対象である電力と株式という性質の違いや取引制度の違いもありますが、一番の原因は電力取引の主眼が実需取引にあり、先に上げた金融市場のような取引参加者の多様性を考えていないためです。 それでは、電力市場を活性化させるための方策を考えるために「そもそも市場とは? 自由化とは?」という観点から考えてみましょう。 市場では、売り手と買い手の2人がいれば価格を成立させることができます。しかしながら、単に売り手と買い手が取引を行うだけでなら、わざわざ市場を作る必要はありません。今回、自由化に際して市場を創設した大義は、これまでの総括原価法による「売り手だけの事情で決めていた電力価格」を、電力を必要とする「買い手の事情を汲みして電力価格を決める」ことにあります。すなわち、売り手が勝手に自分たちの都合だけで電力の価格を決めていては、企業努力が疎かになり、さらにはお上(政府)の顔色だけを伺って、必要としている需要家のことを考えなくなる可能性が高まるので、自由化を進めようという考え方のはずです。 公共性が高いのだから高邁な理想をもって企業経営してもらう事を期待するのは良いことですが、理想論だけで社会が上手く回るなら、誰も困りません。やはり、社会として機能する仕組づくりがとても大事になります。現在進められている電力自由化や来年に予定されているガス自由化にはとても大きな意義がありますが、自由化の象徴ともいえる市場での取引が活況にならなければ、実のところ、全く意味がありません。それどころか、見せかけの自由化はこれまでの体制を是とする間違った情報配信をすることになりかねません。 それでは、意味ある自由化を促進させるためには、どうすればよいのでしょうか? 現在の電力市場を継続して、時が経てば良くなるのでしょうか? 旧来の体制を維持したい人達を除けば、多くの関係者は、現状のままでは市場が活性化しないと考えていると思われます。監督者である政府も、市場取引の厚みを増すために、半強制的に市場を通して電力を取引するように促そうとしています。確かに、ある面では、これまでの寡占的な立場にある大手電力会社に、市場への参加を促すことは効果があるでしょう。しかしながら、それは規制の延長であって、本来的な自由化とは言えません。なぜなら、当局の指導のもとに運営されることに変わりがないからです(無意味という訳でありませんが)。 本来、自由化を進めるのであれば、市場参加者の厚みを増すこと、言い換えれば、市場参加者の多様性を高めることが、市場を市場足らしめる一番の方策になります。その方策とは一言で言えば、投機売買者を増やすことです。投機売買は市場を乱すと思われがちですが、実際に、急落時での買い手や急騰時の売り手は投機売買者であることが多いのです。 市場は時として暴走します。その際にいつも言われることは「投機売買が悪い」という短絡的な意見です。しかしながら、市場が安定的に機能するためには、多様な市場参加者が必要です。投機売買者の参加は、短期的な視点ですが、これこそが同じ価格に対して売り手と買い手を同時に存在させ、価格を成立させる機会を増やすことになるのです。投機売買者の短期的視点は悪いことではなく、市場参加者の厚みを増すことに他ならないのです。 現在の市場での施策は、うわべだけで市場参加者を増やそうとしているように思われます。ヘッジファンドと呼ばれる人達を含め、目先の短期的な売買を繰り返す人達にも、電力市場やガス市場の門を広げることが意味ある市場活性化策になるでしょう。但し、市場の公正な運営をしっかりモニターしていく監視委員会のような枠組みは忘れてはいけないでしょう。 ガスや電気など我々が日々利用するエネルギーコストは、利用する場所までの輸送費用(託送料金)が含まれています。発電燃料や都市ガスの元となる天然ガス、石炭、石油といった化石資源の輸入価格動向は各々の資源の国際相場、為替あるいは日本までの船賃、保険料などで変動しています。これはいわゆるCIF(Cost Insurance Freight)価格として知られています。電力、都市ガスといった日本の公共料金は、このCIF価格と自動的に連動し単価が変化する燃料調整費という仕組みを総括原価の料金体系として消費者は受け入れています。ゆえに、この資源のCIF価格がエネルギー公共料金の価格動向に影響があるということは、なんとなく理解できていると思います。このCIF価格は資源そのものの価格(資源相場)だけでなく、産地から日本までの資源輸送にかかわるあらゆる経費も包括しているので、資源相場ばかりでなく船賃などもCIF価格の変動要因となっています。 今回のテーマは託送料金です。上述のように都市ガス事業者は資源の価格動向、CIF価格には関心が持たれていますが、日本に持ち込まれた燃料が、都市ガスとしてあるいは電気として家庭まで送られるのに要する費用(託送料金)についての関心はさほど大きくないと思います。 LNG(Liquefied Natural Gas)を例に、まず日本に持ち込まれたのちに都市ガス、電気として家庭に届けられるエネルギーのサプライチェーンについて考えてみます。都市ガスの場合、LNGとして日本に持ち込まれた天然ガスは、港にあるガスタンクで貯留され、その後カロリー調整を行い13A都市ガスとし、ガス導管で家庭に届けられています。この一連のサプライチェーンにかかわる資本費、費用が託送料金として計上されています。電気の場合も、やはり発電所構内に隣接するガスタンクに貯留されたLNGは、気化設備で気化しガス火力発電所に供給され電気に変換されています。その後、送電線、変電所、配電線、柱上トランスなどを介して家庭に届けられています。電気の場合は電気エネルギーに変換後、発電所から家庭までの輸送にかかわる電線などの資本費、修繕費などの費用が託送料金として計上されています。 都市ガス、電気の託送料金の比較をしてみます。都市ガス13Aの発熱量は45 MJ/m3に設定されています。自由化準備として各社託送料金を申請中ではありますが、おそらく都市ガス各社の託送料金は15-30円/m3程度に集約されるのではないでしょうか。すなわち、都市ガスの託送料金は発熱量当たりでは0.3-0.7円/MJというところでしょう。 家庭(低圧需要家)の電気託送料金は7.81-9.93円/kWhに設定されています。1 kWh = 3.6 MJなので、ガス同様に発熱量当たりとすると、2.2-2.8円/MJということになります。つまり、単位カロリー当たりの託送料金としてガスと電気を比較すると電気はガスの実に3-9倍ということになります。電線で輸送できるエネルギーである電気は、地下埋設導管で輸送されるガスよりも、輸送費が高いのです。それも異様に。 電気の輸送料金にはこのほかにも、別途2.25 円/kWhのFIT(再エネ固定費買制度)賦課金が加えられています。都市ガスよりもさらに高くなるわけです。加えて現在、電力会社の原子力廃炉費用8兆円の回収を託送料金に加える法律が議論されている状況です。このように、電気の託送料金は年々上昇の一途となることが予想されています。最終的にはこれらは6円/kWh程度の加算になるかもしれません。結局、電気の託送料金はガスの最大15倍になることも考えられるのです。そうなると、我々の支払う電気料金に占める託送料金の比率は40%を超えることになりそうです。 そこで、少なくともエネルギーの短距離輸送に関しては、わざわざ大型電源で電気に変換し輸送するより、都市ガス(またはLPG)や再生エネルギーを活用し長距離を電気で送らず消費地に近いところで発電することをもっと工夫した方がよいことになります。 託送料金を負担し大型電源から購入する電力と、再生エネルギーや自家発電設備など自ら電源投資を行い、自己完結で電気を調達するのに要する費用とがバランスすることをグリッドパリティといいます。日本は電力託送料金が非常に高額なので、このグリッドパリティを見据えることができる世界でも数少ない国なのです。つまり、電気の託送料金が高額な日本では、環境対策としてもエネルギー消費者自らが再生エネルギーや、ガスやLPGで電気を経済的に自給自足する将来が透けて見えているのです。 考えてみると、これは非常に面白い現代経済の盲点でもあります。つまり、経済性を追求することで発電設備はより大型化されていきました。一方、大型化によって1つの電源でより多くの電気エネルギーが生み出されるので、より遠くの消費者にまで顧客として取り込む必要があります。すなわち、大規模発電所で発生した電気を消費してもらうために、より遠くまで運ばなくてはならなくなってしまったのです。 これが電気の託送料金が高騰してしまった理由の1つです。さらに、電気を利用する機器はLEDをはじめ年々省エネ化が進展し、市場の電気消費密度は希薄化していますので、増々その移送距離は長くなってしまっているのです。まさに、集約化/大型化で経済性を訴求してきたモデルの転換点を我々は目の当たりにしているのです。その対極として、省エネルギー化、環境性向上は小型再生エネルギー、コージェネレーションなど分散型電源にとって経済的にも相性が良いのです。すなわち、資源多消費から省資源社会への転換によって、経済最適モデルが変化しつつあるのです。 21世紀のエネルギーマネジメントの主役はよりローカルサイドにシフトしてゆくと思われます。そして、その主役は自治体であり、分散型エネルギーの担い手である都市ガス会社やLPG会社にシフトできる可能性があると考えています。また、大規模発電所から末端にまでエネルギーを流すこととは異なり、再生エネルギーや分散型エネルギーを消費サイドに立って、マネジメントする総合エネルギーマネジメントの指南役としての役割が重要になっています。その役割を都市ガス会社やLPG会社が担うことができれば地域にとって意味のある「総合エネルギー企業」として生き残ることができるのではないでしょうか。
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